2016年2月3日水曜日

久しぶりに医療系で酷い記事を見たので記録として残しておく

療法をEBMで判断するとき、ケースレポートのほうがRCTより有用な場合が多い
(同じ著者N氏による的外れな反論を指摘した私の記事がある。指摘内容は「3大標準癌治療大好きで著名な先生のインチキ療法の見分け方を使ったら標準療法が当てはまったでゴザル」2016.03.07追記)


もう、何から突っ込んでいいのか分からないほど誤ったEBMを使用している。

該当URLより引用
「CIN3の80%は、5年以内に、癌へ進行することはなく、CIN3の60%は30年以内に浸潤癌に進行しないということです。この数字で、CIN3を癌の指標として使うことは適当なのでしょうか?」*2という主張の不適切さについて指摘した。<中略>CIN 3がすべて癌に進行するわけではないのは事実である。しかし、CIN 3のうち、20%が5年以内に、40%が30年以内に浸潤癌に進行するのだ*3 
引用ここまで
CIN3のうち20%が浸潤癌になるとして、その20%がある抗原が+とする(仮にA(+)とする)。
残りの残りの80%はA(-)だとする。
CIN2からCIN3に進行するときに、HPVワクチンがCIN3のA(-)形成を抑制するが、CIN3のA(+)形成に何ら抑制する作用が無いとしたら・・・、CIN3は指標として不適当だし、HPVワクチンはがんを抑制する効果が無いことになる。

これは多くの慢性疾患で塩分減量やカロリーオフ食品で必ずしも良い研究結果がでないのと似ている。

例1)カロリーオフの食品を食べると痩せてメタボに良いとかいう人が多いだろうが、実際はカロリーオフの食品を食べると体が太りやすい体質になり結果として太る。

例2)「ダイエットでは糖質の制限さえしっかりすればカロリーたくさん取っても有効」ということがやっと広く認識されてきた。インスリンの分泌が太りやすい体質を作り、インスリンが分泌されなければカロリー制限しなくても脂肪が燃焼するということ。

例3)減塩による食欲減退、それに続く栄養失調を無視し、心疾患の予後と減塩を研究をしたら「減塩すると心疾患の予後が悪くなる」という結果になった。

そして、ブログのほとんどの内容はいわゆるエビデンスレベル原理主義のようである。
残念ながら世の中、ケースレポートの療法のほうがRCTの療法より有用な事がほとんどである。
なぜなら・・・
RCT・システマティックレビューの療法・薬=RCTなどをしないとバイアス(プラセボ効果等)に埋もれてしまうような効果の低い療法・薬
だからである。

医療従事者は心臓マッサージをはじめ、多くの効果の高い療法がケースレポートから始まっていることを決して忘れてはならない。ケースレポートしかないといって療法を否定するのは3流である。

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